2022年サマージョン太湖キャンプ①

2022年サマージョン太湖キャンプ

太湖とは、中国上海にある学校で、太湖大学堂という。夏休みのキャンプとして、本来なら上海に行く予定だったが、飛行機予約をしなくてはいけない時期に、まだ上海はロックダウン状態でした。なので2022年度は、夏休みに1週間オンラインで、カンフー、経典、千字文、静定、シェアリング。オープニングとクロージング。そして、長野県飯山市で、3泊4日のキャンプの中でも、同じメニュープラス、筏作り、野菜収穫、自然アート、川遊び、水世界、花火、カルチャーナイトなどがありました。すごくお得な、子ども達が遊び倒した濃い~~キャンプでした!

オンラインとキャンプのタイムスケジュール

私の太湖は、悦心語213「人生いつでもどこでも苦痛と快楽に左右される。世間の外にある現象にも動じないほどの修養を積むことは、どんなに難しいだろう」がぴったりの体験だったと思います。笑

そして、1週間のオンライン交流とリアルのキャンプ。オンラインとリアルのどちらがいい…というわけではないけど、より違いがくっきりしたというか、最近のオンライン三昧で、リアルとオンラインの境がなくなってきているように感じていただけに、リアルのすごさを感じたし、日常生活に戻らなくくらいの後遺症を伴うというか…

まさかのハプニング~家族がコロナに~

来週から太湖が始まる!というタイミングで、長女がコロナに。オンライン中は、私の家に子ども達が泊まりに来て、オンラインを一緒にする予定で、オンライン期間中は、東急(大田区、品川区、港区)の皆の家にお泊り会という楽しいイベントが、長女のコロナ感染し、それを追うようにしてパパも感染。それによって、全てお泊り会が中止に。楽しみにしていた中華街に行く会も中止になりました。

来週から太湖が始まるというのに、このタイミングで!と緊張感が走りました。すぐにホテル療養を保健所にお願いし、長女・パパには隔離生活。あとは私たちが感染していないか、その不安が出て、もしかしたら、飯山に行けなくなる!ということも頭に浮かびました。結果、それ以上は感染しなくて、済んでホッとしました。

家庭の中でも、なるべくマスク、別々に部屋で過ごして、食べる…を徹底。ピリピリモードの1週間でした。

東急のお泊り会も中止になった申し訳なく思っていたけど、結局、東急の子どもも1人コロナに家族から感染して、その子は、飯山も3日目からの参加。楽しみにしていたお泊り会だったけど、結局、お泊り会しなかったことで、全員が飯山に行くことができました。

オープニング7月24日(日)夜19時

オープニングでは、太湖のスタッフ、ヒッポのグループフェロウ(以下GFに略)、キャンプに参加する子ども達、そしてその保護者、所属ファミリーのフェロウ達が参加の大人数でのオープニング。太湖老師ダイアナ先生や、日本のスタッフ照ちゃんからのお話を聞いて、これから始まる夏の冒険にワクワク!気持ちが高まりました。

中国の老師たちが中国語と英語でスピーチ。不思議と全部わかったような気がして、何を言っているかわかる・・・っていうこの感覚、面白かったです。

オンライン交流~太湖の授業がスタート~中国語の授業

次の日から、現地:上海の太湖大学堂とオンラインでつないでの授業が開始。どんなものか、わくわく・どきどき。きっと子ども達もそうだろうな…と授業を受けました。張瑞(チャンリー)老師が千字文と経典の授業を担当して下さいました。先生の様子から、子どもが好きな様子が伺えました。温かいまなざしと、中国語で話し続けながらも、日本の子ども達にわかるように準備してくれている様子も伝わります。本部スタッフのSeiちゃんが通訳してくれるのですが、難しい部分も。特に経典は、内容が難しくて、勉強嫌いな私には意識が遠のいてしまう…笑。

千字文の字は私が書きました♡
張瑞老師の千字文の授業オンラインで
張瑞老師の似顔絵

経典と千字文、たった1時間の授業なのに、わからなさすぎるけど、絵があるから何となく伝わってくる。 初日は気が付かなかったけど、月曜から土曜まで毎日一時間聞き続けるなかで、この漢字はこんな風に読むのだなと気が付いていった。

そして、中国語が一気に近寄ったのは、太湖大学堂のサマーキャンプに来ている中国の子ども達が3人くらいが張瑞老師と一緒に読んでくれたのが、またすごく良くて、先生の声も優しかったけど、子ども達の可愛い元気な声も、ぐっと体に入ってくる感じがしました。そして、日に日に、日本の子ども達も一緒に声を出して読むことができはじめていて、その声が1人ずつ日に日に増えていく感じが、皆が読めるから、自分も読めるような気持ちに変化していきました。

千字文も経典も中国の古典。現代では使われない漢字もあり、言葉も古いから、中国の人だって難しいはず。だけど、日本のヒッポの子ども達は、家で、普段から多言語を聞いているだろうし、レベル分けしている語学教室ではないヒッポの環境作りの中、「難しいから」と線引きしている子はいなかったと思いました。

初日の夜のシェアリングで、小3の男の子(総武地域のカズ)が描いたイラストが感動でした。太湖は日記が配られていて、毎日記録するようになっています。初日のお題は「第一天你的心情如何?画下你的表情」と書いてあります。その子は、虹のイラストを描いていたのですが、「どうしてそれを描いたの?」と聞くと、

「中国語がわかるかどうか不安だったけど、今日の授業を受けて、わかりそう!大丈夫と思ったら、ほっとしたから、虹を描いたの」と。嬉しくなった気持ちを虹で表現したんだぁ。

千字文や経典の授業は、中国で古くから大事にしてきている考え方がぎゅっと詰まっています。森羅万象。陰と陽。日本と中国の関係、中庸、宇宙。心。自然。呉の時代の話…と多岐に。

カンフーの授業

克強(くーちゃん)老師がカンフーを担当。厳しい声といつも眉間にしわを寄せている様子から、老師の授業になると、気持ちもパリッとしていきました。夏休みに入る前に、スペシャル授業として日曜日に2回、カンフーの授業をして下さっていたので、夏休みでは、カンフーどんなことを教えてもらえるのか、ワクワクしました。

夏休みのカンフーは「うーぶーちぇん」を基本に、4日目と5日目で後は足されていった感じでした。

そうそう、6月にあった渋谷のオリンピックセンターの合宿で、克強老師とのカンフーの初授業の中で、中国語オンリーで話しているのに、動作もあるので、なんとなく意味がわかっていきました。その感じが面白くて、楽しかったです。

先生が言う掛け声(音)の「漢字」が浮かぶと、意味がわかる。例えば、「じゅんぺー→準備」「かいしー→開始」「マーぶー→馬のマー」「ウーブーチェン→ウーは五」などなど、日本語に似ているものは、すぐに意味がわかりました。漢字が共通のイメージとなったからだと思います。「カンフー」が中国語では「コンフー」なのも、面白い!

そして、漢字が浮かばないものもたくさんありました。それはただの「音」として、動作、イメージと共にわかっていく感じでした。意味が分かっている人が伝える言葉として発していると、意味のわからない私まで、何となくこういう意味かな?と伝わっていく。まるで、メタカツしている時のジェスチャーから意味を掴んでいくような感じでした。

合宿に参加している子ども達も、普通に普段からやっているダンスの延長のような感覚で、真似が上手い。でも1人だけ、ヒッポに入って間もない子なのか、中国語だけで進む授業と初めてのカンフーなのか、体が硬直して、動けない子がいました。多言語の環境の中では「わからないことが怖くなくなる」「わかることをみつけていく」体質になっていくのだけど、この子は完全に初めて聞く中国語に頭が真っ白になっている様子でした。泣きそうになりながら、必死にこらえ、ただつっ立っているだけで精一杯のその子に、いっぱい褒めながら、体の硬直をほぐしていきました。

こんな様子を見て、やはり普段、毎日家の中で、わからない言葉の環境に身を浸すことの大切さ…ファミリーでも教えないという活動が功を奏しているのを感じました。現地に行くと、子ども達のふるまいが大きく変わっていくのが、普段からの環境作りだなぁと。

夏休みになり、毎日オンラインで、克強老師との50分間のカンフーの授業。飯山でも、3日目に体育館で、克強老師に6グループある各グループの中から、1~2人、カンフーの動きが素晴らしい子が選抜されていきます。老師は厳しくて、そのグループから1人もいなかったら、選ばないということも。ほとんどが昨年からの経験者が選ばれる中、2~3人、今年初参加の子も混じっていました。手の先までピンと伸びていたり、腰を十分に下まで下していたり、選ばれている子ども達は、誰が見ても、かっこよかったと思いました。

キャンプファイヤーの時に披露する予定だったので、選抜隊は、皆より少し前に出て、皆を引っ張っていってくれました。

牛乳君も、キャンプファイヤーで、「掛け声」を担当。グループフェロウではなく、中3の男の子(初代太湖で4回太湖を経験)が言ってくれてたのも、かっこよかった!

そうそう、私の文章から、克強老師が厳しそうなイメージを持たれていたと思うけど、オンライン最後の日の夜の「ヒッポナイト」で、克強老師の前で、皆がカンフーを披露した時は、先生の顔は、にっこにこで、ものすごい優しいまなざしで、子ども達を見てくれていました。先生の人柄が本当によく伝わってきていました。だから子ども達も先生が大好きなんだろうと思います。昨年から引き続き、くーちゃん老師は、「ヒッポの子は呑み込みが早い!」と大絶賛だったそうで、だから今年も自分が教えたい!と引き受けてくれたのでした。

静定~メディテーション~の授業

静定とは、瞑想の時間でした。13時から30分間。カンフーの先生、克強老師が瞑想をしてくれるビデオを、本部スタッフのSeiちゃんと、照ちゃんが交代で録画を見せてくれながら、行いました。

老師の後に続く、Seiちゃんの優しい声が、鐘の音とハーモニーになって、眠りにいざないます笑。鐘の音をこんなにじっくり聞いたこともなかったのですが、鐘の音の振動が、よい心地にしてくれて、気が付けば、初日は瞑想タイムが終わっていることに気が付かずに、私は2時間も寝てしまっていました。心地よかった~!

昨年も経験している子ども達からは、静定は気持ちがいいよ!と聞いていたのですが、理由がわかった気持ちがしました。眠りに入る前に、鼻で呼吸ができやすくなるように、ヨガみたいに、片方ずつ鼻を押さえて、通りをよくしているのも良かったです。

私は良く寝る派だったけど、全く寝れない子もいて、そういう子ども達で、チャットでおしゃべりしていたそうです。次の日からは注意されて、寝れない子は我慢して30分待ちましょうということに。

カンフーの授業が足の筋トレとなって、GFには少しきつかったので、静定タイムが疲れを取る良い時間となりました。

毎晩のシェアで話したこと・思ったこと

夏休みに入って朝は経典とカンフー、夜はシェアリングを各グループに分けて、シェアリングをします。太湖から配られる日記を漬けながら、話すのですが、毎日太湖からのお題があって、

初日は「第一天你的心情如何?画下你的表情」

2日目は「今天天気如何?把〇画出来」〇は漢字が出てこなくて書けませんでした

3日目は「我不桃食。这是我今天的晩餐」

4日目は「大学堂最可愛的〇物是什么?」

5日目は「交到新朋友了吗?把他画下來」

と続きます。大人でも読むのが難しそうなのに、子ども達(小3~小6)に聞くと、高学年の子ども達が、「こういう意味じゃない?」と当たりをつけてくるのですが、それが毎回当たっている。何となく意味を掴んでいるのでした。それは、わかるところ(部分)から全体を捉えるというのができているということなのかな。

中国語を勉強したわけではないのに、意味を掴んでいけてしまう。教えていないのに、自らわかってしまう。本当にヒッポって、すごいことをやっているな!と思います。

そして、初日の気持ちをイラストに描いてね!のお題に総武のカズの絵を紹介しましたが、他の子は、「カンフーがこれからはじまって頑張るぞーと思った」ことを、炎のイラストを描いてくれた小5男の子も気持ちが充満していて、やる気にみなぎっていました。

皆で、グループ名を決めるのも4日間かかりました。初日は「カンフーマスターズ」がいい!とか、「輝く」を入れたい!とか、「仲良く」を入れるとか、チーム名が長い…などと意見がまとまらず、次の日に持ち越す。初日では、皆がカンフーを頑張りたい!という気持ちが一緒でした。2日目は、小4女の子がお父さんに聞いて中国語で考えてきてくれたことをシェア。「一起カンフーマスターズ」。「一起」(いーちー)という音が気に入り、すぐに採用。だけどまだしっくりこない、長い、いやだという子もいたり…で、2日目も名前がまとまらず。3日目に入ると、シェアリングに参加できず、学校の林間学校でお休みの子もいたりして、皆がいないからと、また4日目に持ち越し。気の短い私にしては、よく待った方で、ぱっと決めたい所を我慢して、プロセスを大事に…との想いで、多数決もせずに、毎日、グループ名を考えました。5日目にもなると、そんなのは嫌だと言っていた子も、「いいんじゃない」に変わり、何を聞いても、「いいんじゃない」に変化してました。面倒だと思ったのか、意見を早くまとめるには合わせた方がいいと思ったのか、待った甲斐もあって、毎日顔を合わせて、日記をつけたり、グループ名を決めたり、バディを決めたりと、子ども達主体になるように決めていく中で、自然とグループの仲間と気持ちが1つにまとまっていった気がしました。その象徴が、グループ名を決めることだったと思います。

7月30日(土)夜 ヒッポナイト

ヒッポナイトでは、克強老師に各グループごとに、カンフーを発表。厳しい克強い先生の顔がほころんでいました。とっても嬉しそう!そして、太湖のダイアナ先生や、太湖大学堂の学長先生など、偉い先生から、中国語や英語で、お言葉を頂戴しました。そのことばがわかる!特に中国語がわかって嬉しかったです!月曜日からは、長野県飯山市でキャンプ。太湖のメニュー(経典・千字文・カンフー・静定・フルーツ丸かじり・旗作り・自然美術・各国文化カルチャーナイト・シェアリング)+サマージョンキャンプ(BBQ・筏作り・野菜の収穫・お土産購入・キャンプファイヤー・クロージング)と、メニューがぎっしり。これをこなす体力が持つか、不安でしたが、ヒッポナイトで気持ちは高ぶり、がんばるぞ~!と気合が入りました。

→2022年太湖サマージョンキャンプ②へ続く

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